UofT (トロント大学) 留学体験記🇨🇦

東大からトビタテ留学japan多様性人材コース11期生として、現在トロント大学に交換留学中の3年生。日々の生活とか、たまに考えたこととか、ごちゃまぜのブログ。

トロントで生活を始めるために必要なこと① 〜家探し編〜

今回は私にとって最大の鬼門だった、トロントでの住まい探しについて紹介したいと思います。


トロントでの住まい探し

まず、海外の大学に留学する、ってなったら普通寮生活を想像しますよね?

私もトロント大学に応募した時、当然のように学内の寮(on campusと呼ばれています)が支給されて、そこでぬくぬく暮らせるものだと思っていました。
が!なんと、トロント大学では状況がかなり違っています。

トロント大学に入学して4年間正規生として通学するlocal studentsの1年生はほぼ強制的にon campusで暮らし、他者との共同生活の術を学ぶように奨励されているらしいのですが、2年生以上になるとoff campusで暮らす人もかなりいるそうなんです。

しかも寮のavairabilityも限られていて、留学生が寮で暮らせる確率は限りなく低い、とのこと。

私もトロント大学のon campus housingで公募されていた寮全てに応募して(たしか10ヶ所くらい)、見事に全部落ちました。


実はトロント大学に留学したい、と思った理由の一つに、トロント大学の寮暮らしの様子を紹介しているブログを見かけ、
「やばい、トロント大学の寮素敵すぎる、ここで暮らしたい!」

…と感化された経緯がありました(単細胞すぎる)。

その寮はなんとホテルを改装して作られたらしく、寮内にジム、ビリヤード、卓球台、スタディールーム、高層ラウンジなどが完備されているほか、meal planに強制加入させられるので自炊もしなくてすむ、まさに私にとって夢のような生活を送れそうな場所だったんです。
(meal planは大学の各寮でご飯を用意してくれる制度です。多くの寮でブッフェ形式のダイニングホールが完備され、寮生は自由に食事をとったりおやつを食べたりすることができます。)


しかし、on campusで暮らす道が閉ざされた私に残されているのは大学の敷地の外(off campus)で暮らす選択肢だけでした。

そしてここから3ヶ月に及ぶ長い長い家探しの道のりが幕を開けます。

とてつもなく大変だったoff campus housingとの闘い

on campusで住宅を確保できなかった生徒のために、トロント大学ではoff campus housing というサイトページが用意されています。
ここではトロント大学生に家を貸したい人たちが空き家のリストを掲載していたり、家はあるけど部屋やお家をシェアして暮らしたいと考えている学生たちがシェアメイトを募集していたり、もしくは自分の家探しの条件を書いたプロフィールを投稿することができます。

が、このoff campus housing に掲載されている物件、なかなか高い。
トロント郊外で部屋をシェアする相場が月々500ドルくらいだとしたら、サイト内の平均価格はおそらく1200ドルくらいで、多くの物件が倍以上の家賃で掲載されています。トロント大学はトロントの中心部にあるので価格が高くなる傾向にあるみたいです。

当初金銭面でoff campusで住むことを渋がっていた私でしたが、7月に入り、留学まで残り2ヶ月を切ってきたあたりで冷静に考え始めます。

…いやまって。トロントの冬がマイナス25度とかになることを考えると、もし家がなくて路頭に迷うことにでもなったら普通に凍死するな。背に腹はかえられない。


決断するまでにとんでもなく時間をかけがちな私ですが、腹をくくってから行動するまではめちゃくちゃ早いのでoff campus housingにのっている物件に文字通り片っ端からメールを送りつけます。

が、かえってくるのは
"I am sorry, but this place is no more available. I hope you can find another place."
みたいなお祈りメールとか、そもそも返信すらしてくれないとか、そんなこんなで大惨敗が続きます。

動きがあったのは8月に入ってからで、ある一軒の家主の方から返信をもらいます。

「まだ空いてるから個人情報を教えてください」
とのこと。


実は日本では考えられないですが、トロントには家探しを仲介してくれる、日本でいう不動産屋さんのようなagentが存在しておらず、家探しは全て個人間で行われます。
メールなどで数件連絡して、契約内容を確認して、その条件で契約したければデポジットとして最後の月の家賃を前払いしたり、自分の銀行残高の情報を先に渡しておいたりするのも一般的に行われているようで、仮に前払いを拒否すると契約をしてくれない、という家がほとんどなんです。

トロントに渡航した後に住宅探しを始める場合、直接内見や家主さんとのコンタクトが取れるためリスクはある程度軽減することができます。
が、私のように日本にいてトロントでの家探しと契約作業を進めようとする場合、騙されるとしても全て自己責任。しかも、そういった詐欺まがいの行為でお金や個人情報を騙し取ってくるscamと呼ばれる悪質なケースが少なくないんです。


そして、私自身もこの被害にあいかけることになります。
先述した、連絡をくれた家主の人とメールを続けていくと、どうも様子がおかしい。
「契約するんだったら、大学の在籍証明書と、パスポートの写真と、クレジットカードの写真を送って。そうじゃないと契約できない。」


…え、クレジットカード?その写真なんでいるんだ?というか、もしその写真渡しちゃったら普通に番号打ち込んだら誰でも私のクレカで買い物できちゃうよね?


かなり怪しいなとは思いつつも、凍死しないことに必死な私はなんとか唯一空きがあるといってくれた家主さんから部屋を確保すべく、必死に代替案を提案します。
「銀行の預金残高証明書は?家賃はらえること証明できてるよね?これでなんとか勘弁して。」

家主さん:"No. I need the creditcard information for confiming your room. Otherwise, there is nothing that I can do for you."

私:"I know you are so kindly offering this room though I cannot directly visit you, and I understand that you need something so that I can prove my credibility. But still I am not permitted to send you that kind of info. Actually, University of Toronto warns us not to send private imformation prior to visit landlords in person. So, could you please propose me another way to reserve the room?"

この私のメールを最後に、おそらくscamであっただろう家主さんからの連絡はパッタリ途絶えます。

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scamやろう(多分)から送られてきた契約書。こんなちゃんとしてたら騙されちゃうよ…。


さて、困った。留学する日程は決まっているけど、家がない。このままだと野宿することになる。普通に凍死する。やばい。

けれどscamの一件で相当疑心暗鬼になった私は、どうなるかわかんないしお先は真っ暗だけど、金を騙し取られるよりはマシだし、トロントに渡航してから家探ししようと腹を括ります。


こんな感じでかなり絶望的状況だった私の元に、渡航が2日後に迫った8月30日、突然幸運が降ってきます。
Facebookで偶然知り合った、同じく日本から1年間トロント大学に留学する女の子が、
「私、ついさっきある家からオッケーもらったんだけど、その大家さんにNanamiが家見つけられるまで泊められるか聞いてみるね!」

と連絡をくれます。

そしてなんと大家さんがオッケーを出してくれたので、ひとまず渡航後はそのお家に居候することになります。

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こうして9月1日、ついにトロントに到着、無事にそのお家にもたどり着いくことができました。
そして翌日に同じく到着した、日本人の女の子と意気投合、結果的にひとまず12月の末までは2人で1つの部屋をシェアして住むことになります。

もう心から、偶然の出会いと、幸運と、その子の寛大さに感謝。(今振り返ってみても普通に凍死しかねない状況だったな…。)



こんな感じで、トロントでの住宅探しはとてつもなく大変です。実際、トロントの家賃相場は深刻な住宅不足と移民の増加とかで急激に上がっているそう。


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写真:到着初日に撮った部屋の様子

1月からもこのお家に住み続けるか、それとも引越しするか、今のところ未定ですが、また引越しするとなると色々大変なんだろうな、先が思いやられる…。
(とか言いながら、めちゃくちゃ楽観主義なので、なんだかんだまたなんとかなるやろ、と思ってる自分がいるのが怖い。1月に家なかったら冗談じゃなく凍死するんだろうな…。)



またとてつもなく長くなってしいましたが、ここまで読んでいただいてありがとうございました:)